前回読んだ二冊は「岳物語」の後に書かれた私小説系の本二冊だったのでこの次は超常現象系の本にしてみるか。とか思い取り出したのが「雨がやんだら」。『シークがきた』改題。
椎名誠の超常現象系の本です。解説には北上二郎氏。コテコテの本ですね;-)。
まぁ、読みにくい短編もあるのですが、比較的面白くまとまっている本です。私小説系かと思えばグググとあっち方面に行ってしまうし、あれあれ?って感じでしょうかねぇ。
文庫本のタイトルになった短編「雨がやんだら」はなるほど。「水域」の書き出しはここから始まって行くのね。などと感じさせてくれます。「水域」として一冊の本になる前は更にそのサワリとして「ねじのかいてん」に書かれているのですが、周りが水浸しになってしまうのは半年くらい続いた雨のせいで、みぃんな流れてしまっていく。みたいな感じでしょうか。
そう考えると著書の超常現象系の本は一冊読んでただけではダメで縦横無尽に読みあさり、パズルを組み立てるようにしてそのストーリーを把握していくのが良いのかな?みたいな気分になってきます;-)。
[…] この物語は「ねじのかいてん」に掲載されている短編を長編に書きなおしたものだ。と、著者も申しておりますが、確かにその通りで、更に著者の本を色々読んでいると「雨がやんだら」では世界が”水域”になってしまう予兆のような物語が描かれていたりと、あちこちに色々なこの本に関する題材が隠れ潜んでいるのでありますね。 […]