今回読了したのは椎名誠の「飛ぶ男、噛む女」です。いやー。この本は隅から隅まで読むと読んでいる本人の頭が交錯状態に陥ってしまうような、そんな感じの本なのであります。
そして、著者の本には珍しく男女のカラミのシーンが多いので中々電車の中で読むことができない。満員電車の中でこの本を読んでいて、後ろに立っている人が覗くんじゃないかと、ハラハラドキドキしつつ読み進みましたf(^^;;。
それにしても、短編というか中編が全部で六話あるのですが、一応は関連性があるというか無いというか、旅好きな著者の「いつもの旅行記」の雰囲気で読んでいくと『著者は精神的にずいぶんと安定していないときに書いた本なんだなぁ。』ときて、そのあと『著者は大丈夫かぁ?』などと心配になってくるんですね・・。
これが現実に著者が思ったことをそのまま物語として書いた私小説なのか、それとも思いっきり意識的にデフォルメして書いたのか? ふむー。
あとがきも無いし、文庫本のためのあとがきもない。ただ、解説はあったのですが、この本の解説を書いた人は随分と苦労して書いたんだろうなぁ・・。などと真剣に思えてくる一冊です。
読了後、『なんか、違う、別の著者の本が読みたいなぁ。』などとマジで思える一冊なのであります。
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